包丁の個性
先日、書きました三星刃物(みつぼしはもの)の包丁「和(なごみ)」、毎日、毎日使ってしまう、、、、というもの。

和、意外はパッケージをふくめたデザインが好きなのと、そのブランドに興味があって、というものです。でも実はこれらは全てコレクションみたいなもので、 なかなか日常で手に取れないんですね。 自分で考えてみました。
一番上のヴィクトリノックスのシェフナイフ。パッケージが素敵でスイス・チューリッヒの本店でジャケ買い。 刃が厚くて柄が硬質。 細身なんだけど日本料理では出番なし。
真ん中、カーサブルータスにも載っていたアメリカのブランド「シュミットブロス」。 N.Yに移民したドイツの肉屋の3代目が興したナイフブランドで、 コンセプトはNYで製造は中国という、典型的なアメリカブランド。 パッケージもコンセプトも最高に格好いいけれど 一番無骨、まさに肉屋のためのブッチャーズナイフで、 柄は私の手のひらに収まらない。 ドイツの友人の家では、キッチンで肉の塊を切ったりしているけどそれ向け? というか本当に肉屋っぽい。そして大問題は「重さ」。 西洋の肉食文化のキッチンで、大柄な男性が使いそう。 写真で見るより実物の刃や柄はワイルドで肉厚、無骨な感じ。 ただデザインはとてもとても好き。 ウォルナットの柄はインテリアのトレンドともかなっている。 
一番下は越前刃物の「風味絶佳」。この子の個性は上の2点と全く違う。 薄くよく研がれた繊細な刃。鈍く控えめに光る感じが好ましい。 凸凹がつき手にフィットする柄。私は黒が好きで、黒を選んだ。 全体のデザインが洗練されていて、柳腰の大正美人という感じ。 とても良い、とても良いのです。
ですが、繊細すぎるのです。毎日の素人の家事仕事には。 私の使い方では刃がこぼれそうだし、とても上質な食材を使ってあげないと 悪い気がする。 なんだか綺麗で気立ての良い女性という感じがして、 気さくに話しかけちゃいけない感じの神々しさのある包丁です。 パッケージも素敵で、底にはオリジナルの手ぬぐいも敷いてあります。 でも使った後丁寧に手入れしてあげなければならないような プレッシャーも感じます。 (長い綺麗な黒髪をくし削って差し上げないと、、、、という気持ちに) 
そういう意味ではこの「和」、ツヴィリングさんの「雅」に追随している感じとか、 ビミョーなんですが、使い勝手がよく、さっきもまたこれを使ってしまった。 
ちなみにツヴィリングの「雅」ですが、夫が釣り魚を刺身にするために買った柳葉ですが、
柄のモダンなデザインがイマイチ、、、かな。 雅に赤丸が付いているのも、フランス製品にトリコロールというようなセンスで なんとなくしっくりこないのですが、 刃の品質は極上なので問題ないです。 刺身にする釣り魚がなかなか釣れないので出番がないですけどね。
「和」の方は、もっと違う名前とブランディングにすればいいのに、 と思っている私です。 「エブリディ・コンフォートクオリティ」みたいな。 ふだん使いの包丁はハイクオリティより、 コンフォートクオリティが大切です。それがこの包丁。
私とこの包丁の、ちょっと変わった関係はこちらでも。
実はデザインは個人的にあまり好きじゃないって話も書きました。
なのに使ってしまうんです。

仕事の関係や諸々で包丁は結構持っております。
それまでメインにしていたのはツヴィリングの最高級包丁「ツインセルマックス」でした。
柄が手に収まるように膨らみ、刃は鋼鉄の粉体を固め磨いた最高級もの。
切れ味最高ですが、実は、切れすぎる包丁もなかなか素人には手に負えず
実家からもらった包丁ばかり使っていたのでした。
三星刃物のこの包丁はそういう意味ではジャストフィットでした。
高すぎず安すぎず(和(なごみ))は三徳包丁で10000円です)、
構えずに済むんですね。切れ味は上々です。
ということでうちにある包丁を全て出してみました(ツヴィリング以外)。でも全然使いこなせてないんですよ。




by kitchen-kokoro
| 2017-05-14 16:55
| キッチンツール
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