エキサイトイズム

なんでも受け止める

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橋田規子さんというプロダクトデザイナーがいる。
TOTOで水まわりのもろもろを研究し尽くし、
この春から大学のデザイン学科の教授になる。
彼女がデザインしたのがこのキッチントレー
上のプレートがクモの巣のような柄がすのこ状になっていて、
トレー本体にはまるようになっている。
水でぬれたものを置いたりするのにもぴったり。

トレーはもちろん見た目通りなんとでも使えるのだけど、
今ひとつ、新しい用途が見えていなかった。
そんな開発の途中に、プロジェクトチームからお呼びかかって
打ち合わせに参加したことがある。

そして一つの提案をした。
食器洗い機の補助トレーとして使えるのではないか?
その仮説は橋田さんも立てていたけれど、食器洗い機ユーザーが
身近にいないプロジェクトチームは
今ひとつ、それが信じられなかったのだ。
そこで私が過去のキッチン取材経験から、
食器洗い機を使う人のリアルな生活現場を解説し、そこから
プロジェクトはいろいろな可能性をはらむことになった。
まだない「市場」(食器洗い機があることを前提にした
キッチン空間に必要な’何か’)。
今すぐじゃないけど、これだけキッチンのあれやこれやの
アイディアグッズが氾濫する日本。そのうちこの辺りも
激戦区になるだろう(10年スパンの視野ですが…)。

食器洗い機も洗濯機とおなじで得手不得手がある。
特に糸底のある食器、プラスチックのタッパーは
乾き残しがある。でも別にそれを機械が全部乾かさなくていい。
ちょっと水を切って、ふせておけばすむのだ。
家電=万能の甘えは捨て、家電=道具(自分の知恵で使いこなす)程度でいい。

そんな時にぴったりなのがこのトレー。
食器洗い機ならフラットなお皿はピカピカに乾くので、
従来の水切りカゴは不要。皿立て部分も不要。
必要なのは、イマイチ水が切れていなかった、ちょっとしたものを
ふせておく、シンプルな場所。

食器洗い機を使っている家はキッチンがオープンであることが多い。
そんなときにもこのトレーはインテリアを損なわず、
いかにも「水切り」という感じがない。
私は食器洗い機のサブ水切りとして使っているけど、
いろいろなことにつかえそう。
なんでも受け止める、キッチンのフレキシブルな場所をつくってくれる。
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# by kitchen-kokoro | 2009-02-13 22:13 | 家電、設備 | Comments(0)

沖縄の小さなキッチン

沖縄の家は頑丈だ。
太陽光線や狂おしいまでの台風に耐えうるように、
じっと背は低めに、腰をすえて、
スクエアに構えて、建っている。
そんな印象。
さらにシーサーが家を守っている。
「家に住む」ことは守られること、
シェルターみたいな雰囲気を
漂わせてる。
その一方で「暮らし」は家の中と外、どちらにも存在している。
そんな境界のなさも感じさせる。

恩納より北部に進めば、よりそんな沖縄の伝統的なスタイルは増えて行く。
地元の工務店の看板に「システムキッチン施工」の文字を見る。
このあたりでは、簡易施工型の国産メーカーの、
システムキッチンが主流なのだろう。
そう、ここではまず家をしっかりつくらなければ。
キッチンに構ってい余裕はないのでは?などなど思いつつ、
車を走らせる。

が、やはりキッチン好きな人はいるものなのです。
地味な国道の脇の、小さな看板の出ているカフェ。
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イギリスのヴィンテージ家具や食器、クロス、生活の細々したもの。
そんな素敵なものであふれたこのカフェは、
もともと「タンカン農家」で、さびれていた家を引き受けて
改装してオープンしたという。
タンカンは2月の沖縄の果物。味はみかんににているけれど、
皮が頑丈で爪が入らない。
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まるで店の中に小さな店があるような、キッチン。
カウンターは木枠の窓がついていて、
ちょっと屋台ワゴンふう。

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で、このキッチンはオリジナルだそうです。
ステンレスのワークトップとガスコンロ&オーブン、
水まわりだけを工務店に依頼し、
扉のデザイン、色は自分たちで作業し、
最後に取り付けてもらったそう!セミオーダーキッチンですね。
家具みたいなキッチンでは、「ぐりとぐら」のカステラを焼いたり、
ジャガイモやピザを焼いたり(もちろんカフェメニューです)。

南の島の小さなタンカン林の中に
手づくりキッチン。
ほんと、キッチンが好きな人ってすごい。
夢をかたちにするパワーがある。

ヴィンテージヤードカフェ
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# by kitchen-kokoro | 2009-02-12 22:53 | キッチン | Comments(0)

オーダーキッチンをつくろう!

「オーダーキッチンをつくろう!」(エクスナレッジ刊)

オーダーキッチンは今の日本のキッチンの選択肢として
最良の方法じゃないかと、確信しつつある。
目に見える金額は一見高そうだけど、いわゆるメーカーキッチンの
営業等の費用のうわのせとか考えると、
設計料(ソフト)+実費(ハード)のもっともクリアなバランスがとれている。

ただこの本を編集した当時は、今と比べればキッチンへの理解が浅く、
関わった人に学びながら、なんとか到達したムックだ。
この1冊ではキッチンの可能性が表現しきれていないような気がして
そのくやしさがその後に続くキッチンムックシリーズにつながる、
原動力になった。
キッチンを通して、人生でもっとクリアにできることがある。
オーダーキッチンをあつらえる。
これができる人は人生、自分自身、食生活、家族、すべてのことに
ある程度の整理、希望、勇気のバランスが選択できた人。

人生の様々なコストに対して、ある意味、パフォーマンスがいいと思うけれど、
なかなか距離は埋められない。
それは日本の住宅の流通事情、家が建てるものではなく、買うものになってから。

景気が悪くても、日本の家族の普通の幸せはキッチンから
始めることができる。
豊かで繊細な日本人の食の感覚から。
どうやったら、それを伝えて行けるのか。
模索中。

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オーダーキッチンをつくろう!
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# by kitchen-kokoro | 2009-02-10 23:26 | これまでに出した本 | Comments(0)

キッチンジャ―ナリスト、エディター&ライターとして編集や取材執筆にたずさわる、本間美紀のブログです。キッチン、暮らし、インテリア、住まい、食、デザインをつなぎます。
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